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ゴッドファーザーPART IIのkyonkyonのレビュー・感想・評価

ゴッドファーザーPART II(1974年製作の映画)
4.8
前回に続き再観賞、リレビュー。

前作同様セピア色で構成された極めてクラシックな200分。
夏のイベントから始まる今作はやがて冬になり、寒い日々を迎えるマイケルやコルレオーネファミリーを彷彿とさせる。

しかしアル・パチーノ、いやマイケル・コルレオーネ、静寂な家に帰り部屋を歩くだけで何故こんなに「画」になってしまうのか。ため息が出てしまう。

また、タイムシェアリング方式の様な形で、若かりしヴィトーの繁栄も描く。
当然このロバート・デ・ニーロは有名過ぎるくらいの名演なのだが、ここのマイケルとの対比が本当に肝。

根底に「覚悟」とか「非情さ」を持っているのは共通しているが、マイケルはやはり頭がキレ過ぎるのか。ヴィトーは頭もキレるが、愛嬌や人情も持ち合わせていた。
あまりにも頭がキレ過ぎるが故に人を信用仕切れず、非情さが際立ってしまい周りに恐怖しか与えない。ここは本当に人間の壮大なジレンマな気がする。
時代や立場も加味しても、

こんなに微妙なニュアンスの違いだけで人間は天国か地獄か変わってしまうものか。

と少し胸が苦しくなる。
とか言いつつこうして何度観ようとも新しい事を教えてくれる。そんな作品は、この世にそうとない。脱帽です。
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