えいこ

ゴッドファーザーPART IIのえいこのレビュー・感想・評価

ゴッドファーザーPART II(1974年製作の映画)
4.9
3時間を引っ張る脚本と演技力は前作に劣らず。

信じられる者のいないマイケルの孤独と苦悩が切ない。ビトの青年期を挟み込むことで、二人が自然と対比され、時代の違い、ドンとしてのあり方の違いが浮かび上がる構成。デ・ニーロは、表情、声、しぐさすべてがマーロン・ブランド。ドン・コルレオーネになっていく場面は心地よい。

一方のマイケルは、ファミリーの存続を目指し、自らの家族も愛しているはずなのに、次々と失っていく様が虚しい。このシリーズが今の時代も古びないのは、リーダーの苦悩が普遍的なものだからだろう。
暗いボートハウスでマイケルがひとり昔を回想する。ソニーもフレドもコニーも揃ったビトの誕生日のシーン。テーブルにひとり残るマイケルに涙する。

今作も、シチリアの風景、クリスマスや新年の風景、音楽、ライティングなど世界観が素晴らしく、映画的快楽に酔いしれる。
えいこ

えいこ