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招かれざる客のSIのレビュー・感想・評価

招かれざる客(1967年製作の映画)
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2020.12.10
自宅TVにて鑑賞

"Glory of Love"

自分の娘が「ハワイで出会った黒人医師と結婚する」と言って挨拶にきた、白人の大新聞社主である主人公は、自分の中に潜む差別意識に苦しみながら、家に集まった人々と会話を重ね決断を下すこととなる。

自分の教育を全うに受け、差別なく育った娘。
娘と結婚したいと言うも、落ち着いて聡明な黒人医師。
ロマンティックなムードに舞い上がり理性を忘れる妻。
人種差別を内在化しており強く反対する黒人メイド。
他にも司教、黒人医師の両親まで自宅の豪邸に押しかけてきて、とにかくてんやわんやながら、うまく捌いて飽きさせない会話を成立させている脚本術が見事すぎる。
豪邸でのワンロケーションに近く、会話しかしていないのだが、会話する組み合わせを巧みに変え、新しい局面を作り出す。見事。

スペンサー・トレイシー。キャサリン・ヘプバーン。シドニー・ポワチエ。
名優を詰め込んでいるので、芝居も見事。クランクアップの2週間後に亡くなるスペンサートレイシーの、表情での芝居の上手さ…。
シドニーポワチエも実際、のちに『冒険者たち』シムカスと結婚することになるし、ある種演技ではないものも感じさせる。

シドニーポワチエが黒人メイドに詰められる時のカメラワークが斜めなのが、面白かった。

ラストはきっちりハッピーエンド。泣けました。
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