Jean

招かれざる客のJeanのネタバレレビュー・内容・結末

招かれざる客(1967年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

2017.01.22 英語視聴

簡単に考えれば、黒人と白人の人種差別を
乗り越え結婚しようとする映画
ってだけなのかもしれない

でも、もっともっと大きな意味を含んだ
映画な気がしてならない

この映画での人種差別は
黒人と白人の間だけかと思ってた

でも同じ人種同士でも
軽蔑という小さな差別が
存在することに驚いた

そういう意味で
家政婦ティリーとジョンのやり取りは
とても私に衝撃を与えた

確かに自分(ティリー)の仕事場の
娘ジョーイの幸せを願うのはわかる
きっと幼い頃からお世話してきて
我が子のように思っているだろうから

同じ人種であるジョンを軽蔑して、
ティーカップをザッとスライドさせて
彼に渡すのはあまりにも驚いた

異なる人種の人同士が結婚するのって
思ってた以上に複雑なんだなと
思わざる終えなかった

こういう風に思っている人が
世の中に溢れかえっている時代に
人種差別を反対するジョーイの父マットでさえ
彼らの結婚を安易に賛成できないのは
無理もないと思う

ただ両者の母親たちは
娘と息子の結婚を不安に思っているけど
賛成して、応援しようとする

ジョンのお母さんはマットに

男の人たちは年をとると忘れてしまうの

と、若き日の愛を男たちは忘れてしまうと
悲しみの目をしながら言った

その発言をマットは振り返って

女への情熱を忘れた老ぼれ
男の燃えかす

と言ったのは笑えてしまった

その後にこうも言った

だが記憶は薄れてない

と愛する情熱について語った場面は
涙が溢れた

ずっとその愛を忘れないことが
本物の"愛する"なんだと勝手に感じた


そして、この映画は
人生を生き抜くために鼓舞してくれる
作品だと思う

ジョンは自分の父に結婚を強く反対されて、
こんな言葉を父にぶつけた

僕は黒人としてでなく
人間として生きたい

強く生きている そう思った
ジョンの生き方は普通の人生を送るより
ずっとずっと大きな困難がいくつもある

でも、私も彼の言葉に共感するし
いつもそうありたいと思う

〇〇人の私とか
〇〇に在籍する私とかっていう
その〇〇に囚われるのではなく、
<私>という存在の私になりたい

そういった枠組みに囚われない人間に
なりたいし、誰かと接する時にも
そうでありたい

だけどいつもいつも、
そうなれない自分に嫌気がさすし
苦しくて苦しくて、仕方がないけど
前を向いて歩くしかない

そう思う中で、
人生を生き抜くために
鼓舞してくれる作品だと思った

ラストになればなるほど、
この作品は魅力にまた人を魅了する作品になる

言葉の1つ1つが
それぞれの人の心に何かを残すでしょう

こんな作品を私はきっと、
何かに立ち向かうのか怖くなった時、
愛することを思い出したくなった時、
私がこれを書いている今を忘れそうになった時、
そして私が<私>になれた時、
また観るに違いない
Jean

Jean