キミシマユウキ

招かれざる客のキミシマユウキのレビュー・感想・評価

招かれざる客(1967年製作の映画)
3.7
新聞社社長のマッドと妻クリスティーナの元に帰ってきた娘ジョアンナは出会ったばかりの黒人男性と結婚すると言い出し……

黒人俳優の先駆者
!!シドニー・ポワチエ!!
主演の社会派ドラマ。
午前10時の映画祭でやっていたので、家で鑑賞(笑)


人種の垣根を超えた幸せとは


てっきりポワチエ演じる黒人男性とその彼女が周りの障害に負けじと愛を育む物語かと思いきや、
彼らの告白を受けてどう対応すればいいか困る両親の心理を見事に描くドラマでした。
たしかに多様性が叫ばれる今の時代ですら、いきなり自分の娘が黒人男性と結婚するって言ってきたら目ん玉飛び出るくらい驚くのだからこれが人種差別が根強く残る60年代なら尚更だ。
娘いないけど。
いや、妻もいないけど。
白人側両親だけでなく、黒人側両親も
「え、ちょ、マジかよ(^^;」
的な反応でもう大変。
でもこういう時理解してくれるのは、やっぱり母親なんですよね。
母の愛は海より深いです。

シドニーポワチエはさすが。
先駆けデンゼル・ワシントン的な、今まで体力バカな印象だった黒人キャラに知性を与えた功労者でしょう。
ここまで条件良ければ娘と結婚させちゃうよね。娘いないんだけど。
母親役キャサリン・ヘプバーン。
アカデミー主演女優賞を獲るほどあり、素晴らしいです。消えない美しさです。
父親役のスペンサー・トレイシーは今作が遺作だそうです。
あと黒人メイドが引くほどウザかった。

世間的な人種理解も自分の娘となったら話が違う。
黒人の権利が保証されてきた今だからこそ改めて見る必要があるかもしれません。
自分の娘が北朝鮮人とかと結婚したがったら素直に喜べるだろうか……。

いや、娘いないんだけどね…

社会派ドラマ好き、シドニーポワチエを観たい方、そして娘を持つ父親の皆さんにはオススメの作品。※僕は独身です。