Ryan

復讐するは我にありのRyanのレビュー・感想・評価

復讐するは我にあり(1979年製作の映画)
3.5
女性や老人ら5人を殺し、78日間の逃亡を経て逮捕された稀代の殺人鬼、厳。
いかにして残虐極まりない殺人者が生まれたのか犯行の軌跡と人間像に迫る作品

監督今村昌平

主演緒形拳

共演
倍賞美津子、三國連太郎など

緒形拳の演技がすごすぎる
鳥肌がたった
彼のドス暗く殺人者になる様の演技がすごすぎる。声の声色も変えてくるし、殺人の時の表情や演技とはまた違った人間臭さをみせてくれる。
三國連太郎もさすが名優といったところだ。
彼が唯一今作で緒形拳に勝負している。
優しすぎるからこその演技。

この作品の人間像が実に面白い。
殺人がどうやってそこまで辿り着くかを描いてはいるが逆に人間臭い。
だからこそ人は狂気に走るのだ。
それを緒形拳が実演している。
そして、それを止める三國連太郎。
愛ゆえのものなのだが、一生わかりあうことのできない家族とはまさにこのこと。
1979年の作品だが、人間の真髄に近いものがある。
殺人に理由はいらない。
理由があってもそれが真実とは限らない。
カンヌ受賞者の今村昌平の手腕を見せつけられた。
Ryan

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