シリーズ8作目。
マドンナは池内淳子。上品です。今の時代ではなかなかいないでしょうねえ。
そして森川信のおいちゃんが最後。もうあの「バカだねえ」が聞けないかと思うと寂しい限りです。寅さんも好きだけどやっぱりおいちゃんあっての寅さん。今までありがとうございました。
前半が博の母親の葬儀、後半がマドンナの2部構成。博の父親志村喬が1作目からの再登場。流石の存在感。セリフに重みがあります。真逆の寅さんとのシーンがなかなかに味わい深いです。
さくらの歌うシーンはなんとも言えない哀しさがあり、心揺さぶられました。
今回の寅さんはフラれるというより自分から身を引く新しいパターン。旅に憧れるマドンナに対し実際の辛さを知る寅さん。理想と現実は違うわけで、今の生活を続けていく方が良いと去っていく。博の母親のエピソードとも重なる部分があり、博の母親もきっと幸せだったのだろうと救われる気持ちになります。
しみじみと良い映画でした。