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ドリアン・グレイの肖像のyadokariのレビュー・感想・評価

ドリアン・グレイの肖像(1945年製作の映画)
3.9
この時代の映画はやっぱ面白い。オスカー・ワイルドの原作を読もうと思ったのだが映画であるのならと映画でみた。肖像画とは逆に描かれた本人は美貌を保ったままだが、肖像の方が老いていくというエドガー・アラン・ポーのようなダーク・ミステリーのようにも感じた。美貌を演じるアメリカ人が好みではないので、最初は役不足のように感じたのだが、上っ面だけの美貌で中身がないことはヘンリー卿から指摘されるのだが、ヘンリー卿がオスカー・ワイルドに近い視点を持つ人物だと思った。

ドリアン・グレイの美貌にどれだけ感銘するかがポイントだと思うが鉄仮面的な美貌よりももう少しおちゃらけた岡田眞澄の若い頃のような美貌だったらと思ってしまった。完璧な美という若さなのだが、そこには人間の感情を拭い去った論理があるだけで愛し合うということは不可能なことに起きる悲劇(殺人事件)

ドリアン・グレイが永遠の若さを保ったまま絵の方が年老いていくというストーリーも面白いと思うが、ストーリーが後半複雑になってしまった。それはミステリー仕立てにしたからだろうか。最後の展開は見事なんだが、途中で飽きてきてしまうのを美貌というのは一時的なもので継続的には、それほど興味を引かないものなのかと思った。

今だったらもっとホラーチックにできるだろうか?後の作品がそれほど評判よくないのは、やっぱこの作品があるからだろうか?
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