不倫する役の原節子さん目あてで。原さんが小津作品に出始める前の作品です。
原節子×杉村春子×佐分利信の三角関係を描いたベタなメロドラマ。このメンツで不倫劇って面白い。
👇以下、ネタバレ含みます⚠️
代議士の矢島(佐分利信)は、亡くなった恩師の娘の孝子(原節子)を自分の家に住ませることに。
矢島の妻(杉村春子)は病気のため海辺の療養所にいて家には不在。
子供2人がいるとはいえ、一つ屋根の下に働き盛りの男性と若い美しい女性が住むなんて、不倫への道まっしぐらな設定。
温泉宿に泊まるシーンや、やけに長いダンスシーンなど、不倫をあおる演出に作り手のあざとさが見えて冷めてしまう。
男に媚びた表情をしたり、甘える仕草をしたりする演技は原節子さんに似合わないなぁ。ラストのぶりっ子はあかん。
海辺で、病気の妻とハツラツと縄跳びをする孝子との対比が「ベニスに死す」のラスト的で、意地悪なカットだった〜。
夫の浮気を疑い、嵐の夜に妻が家に戻ってくるシーンはホラーのように怖い。
嫉妬の形相で原さんをビンタする杉村さんにはビビリました。さすが!
実に後味の悪い作品。