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誘惑のleylaのレビュー・感想・評価

誘惑(1948年製作の映画)
3.5
不倫する役の原節子さん目あてで。原さんが小津作品に出始める前の作品です。

原節子×杉村春子×佐分利信の三角関係を描いたベタなメロドラマ。このメンツで不倫劇って面白い。

👇以下、ネタバレ含みます⚠️













代議士の矢島(佐分利信)は、亡くなった恩師の娘の孝子(原節子)を自分の家に住ませることに。
矢島の妻(杉村春子)は病気のため海辺の療養所にいて家には不在。

子供2人がいるとはいえ、一つ屋根の下に働き盛りの男性と若い美しい女性が住むなんて、不倫への道まっしぐらな設定。

温泉宿に泊まるシーンや、やけに長いダンスシーンなど、不倫をあおる演出に作り手のあざとさが見えて冷めてしまう。

男に媚びた表情をしたり、甘える仕草をしたりする演技は原節子さんに似合わないなぁ。ラストのぶりっ子はあかん。

海辺で、病気の妻とハツラツと縄跳びをする孝子との対比が「ベニスに死す」のラスト的で、意地悪なカットだった〜。

夫の浮気を疑い、嵐の夜に妻が家に戻ってくるシーンはホラーのように怖い。
嫉妬の形相で原さんをビンタする杉村さんにはビビリました。さすが!

実に後味の悪い作品。
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