nknskoki

アルファヴィルのnknskokiのレビュー・感想・評価

アルファヴィル(1965年製作の映画)
4.5
人工知能α60によって管理される、感情や思想の自由などが排除された都市アルファヴィル

「ブレードランナー」「2001年宇宙の旅」の元となったと言われるゴダールのSF映画
大通りのネオンや車のライトが交錯するモノクロシーンはとても美しい

「150光年前の社会には小説家や音楽家がいたはずだがアルファヴィルにはまったくいない」

愛、意識、涙、芸術などα60が演算不可能な事象は全て排除されてしまっている
「1984」と設定が似ているが究極の管理社会を作ろうとした時、不必要なものはもちろん淘汰されていく
当たり前だがその方が管理がしやすいから
ましてやこの映画のように管理者がAIならなおさらである

人生には豊かさが必要である
カップラーメンだけ食べても生きていけるが、陳建一の中華料理を食べたいよな?
恋愛なんかしなくても生きていけるが、じゃあ愛は不必要なのか?
同様に音楽も小説も
みんなが必死に観てるこの映画だって別に観なくても生きていけるし、観なくても正直将来何も困らないと思う
じゃあ、みんなは何で映画を観てるの?

人生仮に60年として60リットルの薄い砂糖水のような人生より濃厚なフカヒレスープのように密度の濃い人生の方が絶対幸せに決まっている
ただ寝て起きて飯食ってスマホゲームして終わるような一日の使い方をしてたらもちろん薄い薄い塩水人生になってしまう
nknskoki

nknskoki