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灰の記憶のriのネタバレレビュー・内容・結末

灰の記憶(2001年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

アメリカ映画のホロコーストを題材にした映画は、言語が気になってしまう。
欲を言えばSSにはドイツ語を話して欲しいが、そこはまだ全然英語でも許せる。
問題は、ユダヤ人のふたりが英語で話していたのに、SSに、ハンガリー語で話すなと注意されてたシーン。一瞬何が起きたかわからなかった。二言くらいだし、そこは役者さん少し頑張ってハンガリー語話してよ、と()
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しかし、気になったのはこれくらいで、サウルの息子同様、この物語ではガス室で奇跡的に生き残ってしまった少女や、ゾンダーコマンドについて、ゾンダーコマンドが死体焼却炉の破壊を試みたこと(これは事実)が語られていて、残虐シーンはどこまでも救いがなく、ホロコーストのリアルを描いている。
ガス室は大人がどんどん上に積み重なって死んでいくから小さい子供は溝みたいな部分で奇跡的に息ができて生き残ってしまうことがあるみたいだね。あと、20分のガスって、思ってたより長かった。苦しくてもがく時間も結構長くて全然楽に死ねるものじゃないんだなと思った。生き残った子供も、人体実験に回されたり、今回みたいに銃殺されたり結局は死んでしまうから希望はない。
ゾンダーコマンドは、たった少しの延命と、綺麗なシーツとご飯のために、同じユダヤ人をガス室へ送り込み、死体の処理をする。彼らが焼却炉の爆破を試みたのは事実だが、大虐殺は終戦まで行われたことを考えると、失敗に終わったことはわかるから悲しい。この物語は最初から最後まで暗すぎる。だけどこれが現実だ。
女性達に対する尋問も、同じ班の人間を夜な夜な全員綺麗に整列させて、吐かなければ当人ではなく、その人たちを片っ端から銃殺してく残虐さ。とうとう耐えきれなくなり、当人は、電流の流れる柵に飛び込み自殺。死んだ方がマシな世界とはこのことだ。
そして、案の定、焼却炉は一部爆破はできたが、関わったゾンダーコマンドたちは、全員外の芝生に綺麗にうつ伏せに並べられて、片っ端から銃殺。このラストには絶句。ユダヤ人虐殺シーンによくみられるけど、綺麗に整列させられたら、効率よく銃殺される合図。どんな気持ちで自分が殺される番をお行儀よく待たなければいけないのか。ラストのシーンは引きました。彼らは頑張った、って死んでも讃えられることもない。どうにも逃げられない、希望が一切ないラストでした。
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日本語吹き替えバージョンだと、ガス室て生き残った少女のラストのナレーションが背筋が凍るほど不気味らしいのですが、、私は字幕で見たあとにそのことを知ったのでまた借りてきてみようかと思った。正直残虐すぎてもう二度とみたくないが()
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