今更ハマり始めたノーラン作品。今回の作品は、ある事件で妻を失い、自分の記憶力も失った男の復讐劇。記憶がテーマの物語です。
ストーリーは、今と昔を行き来しながら、過去に起きた真実へと向かっていきます。この映画で1番素晴らしいと思ったのが、現在から過去へとストーリーが展開していく、という構成です。映画の始まりは現在で、記憶が何もない主人公が映し出されます。私たちも今まで何が起きたか全く知りません。そのスタート地点から彼が失った記憶を遡って知るという体験は、今から起きる予測不能な未来の出来事を見るのと同じくらい、ハラハラドキドキするものでした。
そして、段々と見えてくる本当の出来事に驚愕しました。自分が信じていたことと違うことが見えてきた時、一瞬理解できず見間違いかと思うことがありますが、そういう瞬間が何度か訪れました。そのくらい、最初に認識していた事実と、最後に見えてきた真実の差がありました。
話の作り方も、その見せ方も、ただただ上手いな〜と思います。彼の作品のファンが絶えない理由がよくわかります。
