ブタブタ

メメントのブタブタのレビュー・感想・評価

メメント(2000年製作の映画)
5.0
何回見ても面白い。
ノーラン作品で一番好き。
レミー(ガイ・ピアース)の不安な表情とナイーブな視線がこの世界の不安定さをより一層高める。
大好きなPKディック作品のアイデンティティの揺らぎ、自分はいったい何者なのか?って普遍的なテーマ。
それを時間逆行サスペンスで描いた本作は紛うことなき傑作。
『テネット』の主人公「主人公」が余りにも迷いがなく見てて頼もし過ぎるのでドキドキ感がちょっとなかったのに比べてレミーの「10分限定記憶」の無理ゲー感とハラハラ感は見てるこっちもハードモードのゲームの世界にレミーと一緒にいきなりほおり出された感じでその没入感、そして謎解きパズルみたいな楽しさの合わせ技。
ラストに全てが完全に明らかにされて、ちゃんと丁寧に説明してくれるのも親切。
そしてその後さらに終わったにも関わらずレミーが「10分限定記憶」を利用して「無敵モード」に入って又ゲームが始まってしまうのも何かゲームクリアのご褒美みたい。
小説は「第一作にその作者のすべてがある」とか言われるけどノーラン監督はコレを超える作品を果たして作れるのか?
等と余計なことを言いつつ…
ブタブタ

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