しい茸

メメントのしい茸のレビュー・感想・評価

メメント(2000年製作の映画)
4.0
2023-01

久しぶりに鑑賞。
おそらく初めて観たのは大学3年くらいの時かなあ?
当時なんとなく「そういうことかあ〜」とか思えていた記憶はおそらく誤った記憶だったんだろう。笑

前向性健忘の主人公は10分しか記憶が持たない。気がついたらいつも朝起きた時と同じような状態でその瞬間を迎える。
目の前の相手が誰だったか、何しにここに来たんだったか、次の予定は何か。全て忘れてしまうため、大事なことは写真やメモや体に「刻」む。

彼がなぜこのような状態に陥ってしまったのか、鍵を持つのは妻の記憶と、サミー。
だから「サミーを忘れるな」と刻んである。
だけど、彼の特性を知った周りの人は巧妙に彼を陥れていく。
俺が狙うジョン・Gとは誰だったのか?俺は一体何のため?誰を殺したのか?目の前のお前がジョン・Gなのか?

謎が解けていくようでますます深まる謎。

2つの時系列が重なり合う時、見えたのは彼の新しい事実だったのだった…






私の解釈ではないのだけど以下👇
これを観て、10分を人間の一世代だと仮定した場合
「史実は忘れ去られていく」ということがよくわかる。
悍ましい戦争や事件の記憶も、経験していない世代にはピンとこないことが多い。
そしてそれを知らせるひと達は100%真実を伝えているのか?何か思惑があったら、当時起こったAの記録も、40分後にはいZまでネジ曲がって伝わってしまうのでは?
「記憶よりも記録が確かだ」とも信じがたいのだと。

いやそもそも真実って何だ?
目の前にりんごが1個ある🍎
それだけでも前後のシチュエーションから受け取る情報の解釈は変わってくるのでは?


「信じられるものは何もない」
のか、だからこそ自分で考えて主体的に選び取っていく主体性こそが大事なのではないか?

そんな真面目なことを新年早々考えていたのでした🙆‍♀️
しい茸

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