てりり

メメントのてりりのレビュー・感想・評価

メメント(2000年製作の映画)
4.3
逆行していく現実と、取り戻せないまま掴みに行く過去であったであろう出来事を今現在にする行為の錯誤が、現実を掴んだと思わせながらますます錯誤した現実へと自らを導いてしまう泥沼であり、確かさを絶対に確かにならない間違いへと自らを導いてしまう。すごい作品で、この手はもう2度と使えないか、若しくは、スタンダード化してこの作品が原初として地位を確立するかのどちらかであろうけれど、今のところこのような手法は今作の監督であるクリストファー・ノーラン本人しか使いこなしていないように思える。今後こういう作りの映画を他の人たちも使いこなせるようになるといいな、と、夢想する僕なのだった。
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