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マシンガン・プリーチャーの映画mystyleのレビュー・感想・評価

マシンガン・プリーチャー(2011年製作の映画)
3.4
『銃を手に戦う牧師サム・チルダース。彼の行いは善?悪?』

実話、社会派ドラマ、戦争物

 今回の話は、スーダンに孤児院をたて、時には銃を手に戦う牧師サム・チルダースの半生を描いた映画。正直、彼の行いにはおそらく賛否両論の意見がでるのではないだろうか。ここまで、善悪の判断に困るテーマはないと思う。すごく社会派。ふと、サンデル教授の倫理問題を思わせる。


 まず冒頭、牧師の映画にもかかわらず、“クソ野郎”と吐き捨てるシーンから始まり、麻薬、借りる映画を間違えたと思った。しかし、その後彼は更生し、牧師としての道を歩み始める。スーダンでの活動は、そんな彼だからこそ出来た一種の解決策なのだろう。普通の牧師にはできない。


 私は、彼のスーダンでの活動が正しいかと聞かれれば、わからないと答えると思う。それくらい生々しい映画。助かっている子供もいるが、神に仕える牧師が人を殺してもよいのか。バイオレンスに取り憑かれているようにも写る。

 一方、サムはスーダンでの活動にのめり込むあまり、アメリカの家族をなおざりにし過ぎてしまっている所は正しくないと思う。意外に人間臭い映画でもある。


 アフリカにはアフリカの事情があり、戦場には戦場の事情がある。私達、外部の人間が簡単に正解不正解を出せる問題ではないと思った。「人道的なこととは何か」、この問題をしばらく考え続けてみる。という事でお終い。ご愛読ありがとうございました。
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