一条和馬

JMの一条和馬のネタバレレビュー・内容・結末

JM(1995年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

時は2021年。国家を動かす程の大企業が君臨し、サイバー技術の進歩の犠牲としてインプラント技術をした人間にかかる奇病が蔓延する世界。

自分の脳ミソを記憶媒体代わりに運ぶ“記憶屋”の主人公スミス(キアヌ・リーヴス)が運び屋としての仕事を受けた所から物語は始まります。

その記憶の正体は奇病の治療方法なのですが、大事な“資金源”の為に隠したかった大企業はヤクザのタカハシ(北野武)にスミスの“記憶の回収”を命じます。

割りとありがちなSF作品です。2021年に奇病が流行ったの段階で「おっ、最近現実で見たな?」ってなるのは当たってほしくない偶然ですが、VRヘッドやVR空間などは割りと“ありそう”なセットでした。他にも記憶の取り出しを行う最後のマシーンがイルカだったり、ヤクザが雇った殺し屋(君らが外注してどないすんねんとかはナシで)が神父を語るサイボーグなど、SF作品としてかなり意欲的なのが端々から伺えます。

しかし粗も結構見つかり、タカハシは娘を奇病で亡くしており、それと知らずに大企業に手を貸していた事を電子生命体として生きていた大企業前社長が教えてくれたのですが、まぁ彼女の接点が薄い。そしてキアヌと北野武W出演!みたいなキャッチコピーの割には北野武の出番がほとんどなく、しかも満を持して邂逅したと思ったら部下に背中から撃たれるという「あっ、これ途中で出演料払えなくなった?」とも見える雑な退場の仕方。1マガジン鉛弾浮けてちょっとの間生きてたのは褒められますが。

総評すると「ガジェットをしっかり考え、ジャパニーズ勘違いYAKUZA(北野武は王道ヤクザ)を取り入れた、普通の映画」でした。
一条和馬

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