思い出の映画レビュー。
当時、高校生だった頃に大傑作「CURE」の黒沢監督にハマり暗黒の青春を送った頃に鑑賞。
小学生の頃に殺し屋三兄弟に家族を皆殺しにされた哀川翔の復讐劇。
鏡の法則に沿って哀川さんが淡々と復讐を遂行していくに連れ怪物的空気をまとい、殺し屋たちが哀れに見えてくる価値観の逆転がシンプルに凄い。
シュールを極めた米屋での一瞬の決闘や、同一フレーム内での銃撃戦など、実験的な映像が作品に不可思議な感覚をもたらしている。この作品が後の「蛇の道」に変貌を遂げたのだと思う。
黒沢清芸術の基礎を垣間見ることができる不穏な傑作。