ゆず

天国と地獄のゆずのレビュー・感想・評価

天国と地獄(1963年製作の映画)
4.0
サングラス。2部構成。ちょっと長い
黒澤明で一番好きかも

エド・マクベインの小説『キングの身代金』(1959年、「87分署シリーズ」の1つ)に触発され、映画化。映画化の動機は2点あり、「徹底的に細部にこだわった推理映画を作ってみよう」ということと「当時の誘拐罪に対する刑の軽さに対する憤り」。

なぜ真夏のシーンを真冬に撮影するのかと山崎努が黒澤に訊ねると「夏は暑いのでつい安心してしまう。冬に夏のシーンを撮影すれば、どうやって暑く見せようかみんな工夫するだろう」と答えた。
犯人が捕まるシーンで流れる曲では、黒澤はエルヴィス・プレスリーの "It's Now or Never" を希望したが、著作権絡みで断念。

ラストは「拘置所の地下から地上への通路で戸倉警部と権藤が会話を交わして別れる」というのが当初の予定だった。
あのシャッターは、この二人は境遇は似ていたけれども、全く違う人間なんだ、相まみえない人間であるという意味で、天国と地獄にわけるという意味でシャッターを降ろしたという。

ブレイク・エドワーズの『追跡』。犯人を途中まで見せない構成などは影響を受けている。

キャメラの位置の移動は俳優の動きにしたがって動き、俳優の動きが停った時に動いてはいけない。

贅沢なんていらないって、金持ちの奥さんに言われてもなあ。
ゆず

ゆず