天国と地獄の作品情報・感想・評価

「天国と地獄」に投稿された感想・評価

Barolo

Baroloの感想・評価

4.3
黒澤明監督のマイベストって、それは人それぞれ多種多様なんだろうなあ、と思いつつ、リアルタイムで観れたわけでもなく、全作品を観たわけでもない自分が言うのもおこがましいけど、この「天国と地獄」に軍配をあげてしまいます。今となっては古臭く聞こえる台詞回しながら、これだけ泥臭く犯罪を追い求めた映画って、中々ないのでは?と思ってしまうのです。多摩川沿のアパートを、撮影の景観の邪魔だから立ち退いてもらえも命じたエピソードは、作品の品質の為にはデーモンになる黒澤監督の鬼気迫るこだわりを感じさせる。不世出の天才の傑作です。あらすじなど先入観なく観てみることをお勧めします。
banchou

banchouの感想・評価

4.0
山崎努の熱演に心を奪われる。
今みても全く古さを感じない。
あと、昔の黄金町って怖い。。。
チェケ

チェケの感想・評価

4.5
丹念に描いた捜査シーンを犯人の絶叫でブッツリと終わらせるラストがあってこその名作

このレビューはネタバレを含みます

黒澤演出や役者の凄さは分かるのだけれど中盤早々に誘拐事件が一段落してしまうのが、果たして構成として成功なのか。
個人的には失敗しているように思うのは、「黒澤」に対する期待し過ぎが故だろうか?
毎度、黒澤映画の脚本には驚かされる。
キャラクターの造形がいい。悪役にも、圧倒的な説得力がある。
善悪、超越しちゃってるという、これこそ黒澤のヒューマニズムの中心なんだろうな〜
随所に「ファーゴ」を感じる。
Shun

Shunの感想・評価

4.5
「悪い奴ほど〜」と並んで黒澤現代劇の金字塔。黒澤にはもっとこういう現代娯楽映画を残して欲しかったと思わずにはいられない。
1980年7月3日、文芸地下で鑑賞。 

この映画は、名場面多数の誘拐サスペンス・ドラマ。 

序盤では、「丘の上に建つ金持ちの家」を「丘の下の貧民街」から見上げるショットが、まさに「天国と地獄」なるタイトルを象徴しており、凄い。 

また、こだまでの金の受け渡し場面も見事であり、製作時の苦労話は有名。
(撮り直しが出来ない苦労など) 

ただ一点、山崎努演じる犯人を死刑にするために犯人逮捕せず、更なる犯罪(殺人)をさせる場面は、人道的に難あり。
この点だけが、マイナスポイント。
きなこ

きなこの感想・評価

4.6
何だこれーめっちゃおもしろい!!
黒澤監督作品、初鑑賞です。
和製モノクロ映画も多分初鑑賞。
人情溢れるサスペンス。

有名なので、知っているような気分でいたけれど実際は身代金受け渡しの手口くらいしか知らなかった。笑
捜査方法は多分現代より発展していないのだろうけれども、刑事たちが権藤さんのためにと、足と頭で熱く地道に犯人を追い詰めていく様子を見ると、ちょっと泣きたくなるほど。
仲代達矢も三船敏郎もかっこいいなあ。
運転手さんに泣かされた。息子賢いし。記者さんたちも優しいなあ。
山崎努のラストは見入ってしまうし、かの有名な赤い煙も観れて大満足です!

七人の侍も観てみようかなあ。
三度目の殺人もう一回観たいなあ。
滝和也

滝和也の感想・評価

4.5
明けましておめでとう
ございます(^^)
遅ればせながら本年
一発目のレビューは
やはり大好きな作品から…。

黒澤明監督のクリミナル・サスペンスの代表作であり、邦画サスペンスの金字塔である…

「天国と地獄」

黒澤らしいヒューマニズム、サスペンスの練り込まれた技法、そして今作を名作たらしめるアイロニーが素晴らしい作品。野良犬で刑事ものの骨格を作った黒澤が更にそれを推し進め、一級のエンターテイメントに仕上げた傑作中の傑作です。

ある会社の重役の子供が攫われた!だがその子は運転手の子供だった…。それを知っても犯人の要求は変わらない。その金は彼を破産に追い込む金額であったが…

今作に関しては犯人との交渉時の密室劇、身代金受渡し時のサスペンス、犯人探しの過程を見せる泥臭くも緻密な捜査、そして犯人逮捕に至る仕掛けを見せる4部構成であり、全てがラストの帰結に向かう緻密かつ精巧なシナリオ、熱気すら伝わる完璧な演出、そしてそれに応える役者と正にパーフェクトなサスペンス映画でしょう。

まずは犯人との交渉時の舞台劇を思わせる密室劇。黒澤ならではのヒューマニズムに裏打ちされた展開。三船の追い詰められ決断する見事な演技、演出。またカメラワークで飽きさせない。

そして豪快な場面転換により、一気に映画が動き出すかのような、列車を貸し切り撮影された受渡しサスペンス。見事なトリック・リアリティが緊迫感を更に募らせる。

そして犯人の正体を探る泥臭い刑事たちの活躍を描く展開へ。やはりこのシークエンスは事実を足で積み上げていく丁寧な描写が素晴らしい。後一歩に迫る中、劇的に展開するあの煙突の煙の演出に黒澤の才気が爆発する(^^)

ここからは犯人逮捕の作戦が展開するわけだが、犯人の非道ぶりを更に際立たせる演出。その犯人像を描いていく。

そして何と言ってもあのラスト。犯人の動機、この時代にあの動機は革新的であり、サイコパスにもやや寄っている。ここ迄、誰が犯人で引っ張り、何故は隠されているが一気に吹き出すかのような演出。一枚の壁が分ける天国と地獄。だが犯罪には勝者など存在しない…。全てが敗者であり、全体を覆う天国と地獄。犯罪は全てが地獄…。緻密に犯罪被害者を描写し、その苦悩を描いてきた演出もここに帰結していく。事件は終わらないのだ…彼らの人生を変えてしまう故に。

三船、仲代、山崎と日本の3大名優が織りなす演技。苦悩しながらも、覚悟を決める三船、飄々とした持ち味を活かしながらも、熱き刑事魂を見せる仲代、そして怪物を見事演じ、ラストの邦画屈指の場面を作り上げた山崎。見事なアンサンブルを見せてくれますね。他出演者も黒澤組の常連、オールスターであり、見事なサスペンスを盛り上げてくれます。

黒澤明監督の至高のサスペンス・エンターテイメントです。こちらは是非おすすめ!本年も皆さんよろしくお願いします(^^)
午前十時の映画祭にて鑑賞しました。

うーん、素晴らしかった!
ものすごい重厚感。
内容がとてもドッシリとしている。役者一人一人の個性や雰囲気が映画を鮮やかにし、あの夏の蒸し暑さを見ている人にも感じさせるような演出や犯人を追う緊迫感、犯人の動機と結末に衝撃を受けた。
黒澤明監督って本当に素晴らしい人なんだなぁ、と見終わった後ため息がでた。
そして三船敏郎の演技にも脱帽。
私は七人の侍の菊千代が好きだけど、今回の社長を演じた三船さんも渋くてかっこよかったなぁ〜
グッと顔を引き締めた様子は男!そのもの。男の中の男!という感じで、今の時代こんな男前な人いないな〜と思う。

総じて素晴らしい作品だった。
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