にっしゃん

マッチスティック・メンのにっしゃんのネタバレレビュー・内容・結末

マッチスティック・メン(2003年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

グランドイリュージョンみたいな爽快詐欺師ストーリーかと思っていたら、まさかのテーマは愛だった。

愛は盲目的で、理性的な人間でさえ、愛が絡むと理性を失う。つまり愛は潜在的に破壊的である。
慈愛とは程遠い詐欺師だが、娘への愛、つまり家族愛はやはり捨てられるものではないのだ。
娘と再会し、家族愛を肌で感じた詐欺師は、ついに破壊の道をたどる。
天才的な詐欺師でも、友情、家族愛を見抜くことはできなかった。

全てを失った後に、辿り着いたのは恋愛だった。
お腹の膨らみに耳を寄せ、新しい命を噛み締める安堵の表情は、人間はまだ見ぬ姿にさえ愛情を抱ける事を語る。
そして、愛は破壊的でありながら、人が抱いてしまう盲目的な特別な感情であることを知る。