こぅ

激怒のこぅのレビュー・感想・評価

激怒(1936年製作の映画)
3.9
フィルマにてフリッツ・ラング監督作品評価1位は、【スピオ
ーネ】で4.3点。
2位は、本作と【メトロポリス 完全版】と
【スカーレット・ストリート】の4.2点。
続く5位は、お気にの【ハウス・バイ・ザ・リバー】で4.1点。


ジョー(スペンサー・トレイシー)は結婚資金を稼ぐ為、
恋人キャサリン(シルヴィア・シドニー)の元を離れ出稼ぎに
出ていた。
仕事が軌道に乗り資金も溜まったジョーは、車を買って早速
キャサリンを迎えに行くが、道中誘拐犯に間違われ逮捕されて
しまう…。


いつものセオリーで観たら、冒頭からの2人のラブラブ丁寧な
やりとりからジャンルは100%【ラブストーリー】となる
が、、
厳密には 社会派サスペンス要素 を盛り込みラストまで観て
初めて ジャンルが確定する 特例作品。

ラブラブな展開から一転、逮捕されるシークエンスは、あまり
に安易で面食らう(恐らくここは状況作りとして手抜き)
し、犯人という決定的な証拠も無いのに一方的に留置される
のは【強引胸糞すぎ】極まりなく昨年鑑賞した【牛泥棒】を
想起した、、が、本作のが牛より先駆だ。

逮捕された婚約者を彼女が助ける為に奮起する単純なラブ
ストーリーに寄せなかったのは流石か。

誘拐犯を殺せ‼︎ 群衆による【暴動】。

群衆の怖さだけじゃない、激怒し、葛藤するジョーの形相は、
前半とは 別人格 で、これまた人間の怖さを浮き彫り、抽出
している。

フリッツ監督は、本作以前の【M】で既に群衆心理の怖さを
取り上げている。
そゆカテゴリー観点ならアンリ監督の【密告】の方が個人的
には迫る怖さを憶えたが。

前半で何気なく提示された 伏線 を最終法廷で効かせてくる
のは流石‼︎

ハッとする演出の上手さもちらほら伺えた。

◯◯と◯◯、ジョーはどちらを選択するのか⁈⁈
これがクライマックス‼︎


ただ、ラストは駆け足というか、安易というか、フリッツ
らしくない⁈モヤり締めに着地で、、【賛否】あるだろう。
迷走した結果、相方(バートレット)の脚本を採用したと想像
してみた。


最後に、、
主人公のラブ絡みの葛藤と法廷モノという共通観点では、
’93年【ジャッ◯・サマース◯ー】にヒントを与えたのかな⁈


*シルヴィア・シドニー(26)は美人というより可愛い系。
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