フィルマにてフリッツ・ラング監督作品評価1位は、【スピオ
ーネ】で4.3点。
2位は、本作と【メトロポリス 完全版】と
【スカーレット・ストリート】の4.2点。
続く5位は、お気にの【ハウス・バイ・ザ・リバー】で4.1点。
ジョー(スペンサー・トレイシー)は結婚資金を稼ぐ為、
恋人キャサリン(シルヴィア・シドニー)の元を離れ出稼ぎに
出ていた。
仕事が軌道に乗り資金も溜まったジョーは、車を買って早速
キャサリンを迎えに行くが、道中誘拐犯に間違われ逮捕されて
しまう…。
いつものセオリーで観たら、冒頭からの2人のラブラブ丁寧な
やりとりからジャンルは100%【ラブストーリー】となる
が、、
厳密には 社会派サスペンス要素 を盛り込みラストまで観て
初めて ジャンルが確定する 特例作品。
↓
ラブラブな展開から一転、逮捕されるシークエンスは、あまり
に安易で面食らう(恐らくここは状況作りとして手抜き)
し、犯人という決定的な証拠も無いのに一方的に留置される
のは【強引胸糞すぎ】極まりなく昨年鑑賞した【牛泥棒】を
想起した、、が、本作のが牛より先駆だ。
↓
逮捕された婚約者を彼女が助ける為に奮起する単純なラブ
ストーリーに寄せなかったのは流石か。
誘拐犯を殺せ‼︎ 群衆による【暴動】。
群衆の怖さだけじゃない、激怒し、葛藤するジョーの形相は、
前半とは 別人格 で、これまた人間の怖さを浮き彫り、抽出
している。
フリッツ監督は、本作以前の【M】で既に群衆心理の怖さを
取り上げている。
そゆカテゴリー観点ならアンリ監督の【密告】の方が個人的
には迫る怖さを憶えたが。
前半で何気なく提示された 伏線 を最終法廷で効かせてくる
のは流石‼︎
ハッとする演出の上手さもちらほら伺えた。
◯◯と◯◯、ジョーはどちらを選択するのか⁈⁈
これがクライマックス‼︎
ただ、ラストは駆け足というか、安易というか、フリッツ
らしくない⁈モヤり締めに着地で、、【賛否】あるだろう。
迷走した結果、相方(バートレット)の脚本を採用したと想像
してみた。
最後に、、
主人公のラブ絡みの葛藤と法廷モノという共通観点では、
’93年【ジャッ◯・サマース◯ー】にヒントを与えたのかな⁈
*シルヴィア・シドニー(26)は美人というより可愛い系。