No.-
かつて(20年前)、私の周りの映画通たちは皆口々に「青山真治は難しい」と言っていた。
「なにが難しいの?」と聞くと、それがわからないから難しいと言う。
「難しいと思ったら、世界観を楽しめばいいじゃん」と私は答え、「ユリイカ」の世界観を楽しんだ。
「邦画は世界観なんだ!」と生意気なガキだった私は悟ったフリをしてほざいていたのである。
そしていい年になった今でもほざいている(笑)。
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久々に再見。“北九州サーガ”の第二作。
あぁ、直樹と梢は「言葉を発していないだけで、実はずっと会話していたんだ」とわかり、滂沱の涙であった・・・。
心が傷つくのは一瞬で、それを癒すには膨大な時間がかかる。
その「心を癒すために、膨大な時間をかける余裕」が、今の私たちに、どれだけあるだろうか。