EUREKA ユリイカの作品情報・感想・評価

「EUREKA ユリイカ」に投稿された感想・評価

お兄ちゃんが劇中で初めて喋るセリフがなんともなんとも。このあらすじで、何でこんなに長いの?と最初は思いましたが、この映画で描きたいことのためには必要な時間なんだなと観終わった時には思えました。時間は人を救うこともあるし、救わないこともある。ただ、自分でそれに気づくには時間が必要で……。途中で止めず最後まで一気に観るのがオススメです。
3時間半という超尺は短く思えたが、主演の役所広司演じるバスの運転手のキャラクター造形があまりにも卑屈過ぎて感情移入不可能。

冒頭のバスジャックの場面は鬼気迫っており秀逸だが、後はメンヘラさん御一行による自己満足タップリなバス旅行に付き合わされた感じで観ていて辛い。

何となくジャン・ユスターシュとモンテ・ヘルマンの諸作品を二で足して割った印象のある映画でシネフィルの青山監督らしい趣向だけど、心は動かされなかった。北九州の風景を艶めかしく撮り上げたカメラワークは感動もの。
2018年8月鑑賞。
どこまでも希望的。孤独じゃない、孤独じゃないぞ!孤独だけど!
スクリーンで観たのは今回が初めて。数年ぶりに観たせいか自分の記憶にないカットがいくつかあってその度にドキッとした。
今回改めて観て感動したのが福岡のレストランのシーン、そこでの国生さゆりが本当に素晴らしい。終始微笑みをたたえながら役所広司との関係性に終止符を打っていく。彼女の微笑みの奥に自分を置いて2年間も失踪した役所広司に対する様々な複雑な感情が透けて見えた。
あと青山真治が自分はこの映画に対して何もしてない、ただ映ってしまったものを繋いだだけと言ってたのが興味深かった。線路上での宮崎あおいのクローズアップはもう一生かかっても撮れないショットだと言っていた
あちゃ

あちゃの感想・評価

4.1
‪終わってほしくないけど終わって欲しい、役所広司に死んでもらいたいけどまだ死んでほしくないという感じはスクリーンと向き合うことよって産まれるひととき。
カメラマンとのドライヴ感が凄い。フィルムの感じもホークスのコンドルみたいなチョコレートな雰囲気で心地いいし、白い部分はちゃんと白が出てる。青山氏いわく決めうちしてるのではなく撮ってるだけ笑なのだそうなので、つまるところ映画監督の才能とは偶然を引き寄せるというのがデカイのかもしれない。サンダルがカメラの前で止まるのは偶然で、あまりに上手くいきすぎてムカついて撮り直しをしたらしい(結局はサンダルがカメラの前に)
常にコップに入った水や川といったのイメージが出てきて、荒野へと向かっていく‬。サトウキビ?を切った時に出る白い液はあえて精通の比喩として作ってるのかも。
ジョンフォード的に帰ってきたり、ガムを投げたり、馬が出たり、溝口的にバスからパトカーから刑事を捉えたり、ホークス的に2人で自首しにいったり、アルジェントっぽく女を横移動でつけまわしたり、山椒大夫みたいに水の中に入ったりする(ここ怖い)。
演出とカメラマンのバランスが良いから寝ても覚めてもみたいな硬い感じがなかった。
一億三千万でこれって凄い。ちなみにこの作品の企画書は一行「モノクロシネスコ3時間」で、役所広司が「九州弁で話したい」という思いを語っていたのを、仙頭が繋げたそう
壁を弱くノックする音。切々と響く空虚な音。
北九州サーガ第2作。過去のバスジャック事件の生存者である兄妹、元運転手の静かな交流。過去のトラウマからの癒しと再生。
主役3人の視線がずっと過去しか捉えていないようなツラが最高。
色彩のない田村正毅のカメラアイがそれを支えている

役所広司が兄妹のもとを尋ね、二人のことを支えようとするのだけれど、その実むしろ支えられていたのは役所広司のほうだった……という逆転のプロット。
宮崎あおいが奇跡的に薄倖な美しさで、彼女が役所広司の頭を撫でるシーンは『ミツバチのささやき』のアナ・トレントに肉薄していると思う
事件の生存者でありながらも共犯的な意識に苛まれているような、共依存的な関係がいい。
その場にもう一人、事件とは直接関係のない秋彦というキャラクターが闖入することで関係性が心地よく乱され、整えられてゆくさまが救い。こいつの台詞はちょっと説明的すぎるけど

虚無の瞳だった宮崎あおいが次第に感情を露わにしていく過程でなぜか涙があふれた……

「生きろとは言わん。ばってん、死なんでくれ」

なお、この兄妹を演じたのは宮崎将&宮崎あおいのリアル兄妹。マジか。この二人が共演している作品は他にもいくつかあるらしく、観なければならない

北九州から阿蘇への風景がまさに巡礼の旅で、ちょっと長すぎてダレるところもあるんですが、ラストでの宮崎あおいの遊びのような神性に至るところで完全に納得した
突発的に旅に出る映画は最高、というジンクスありますよね?
kos

kosの感想・評価

-
他人の苦労や悩みに同情した時つい「分かるよ」と言ってしまうけど、そんな簡単に吐いて良い台詞では無いなと改めて自戒の念に駆られた。
わたしの1番
畳をドンドンするのも、ナイフを手にするのも、壁を叩くのも。心が繋がろうとシグナルを送ってるんだ。見逃さない大人でいたい。待てる大人でいたい。
大野

大野の感想・評価

-
色を剥奪したのに信号機初っ端から映す凄さ
痕跡としてまざまざと見せられる暴力。物語内では痕跡が残っているが、物語外には痕跡を残さない。
ワイドスクリーンが効果的。
ノックのシーンの空間の使い方が好き。
他者の傷を背負う子どもたち。(ゲロ)
shuuhey

shuuheyの感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

役所広司、光石研、松重豊、、九州出身の純度の高い博多弁だけで長尺観れる。最大限まで排除したいんだろうけどもっと雑談欲しかった。ショットと照明が全てを語ってるしある程度エンタメしてるから良いんだけど素直に方言を聞いてたかった。
歩くときの距離、寝る順番、起きる順番、今誰が起きてて誰が寝てるか、、これだけで見せきる関係性と人格。うますぎる。台詞の大きさがバラバラだったので気を遣って欲しい、基本聞こえない。
>|