Omizu

夜霧の恋人たちのOmizuのレビュー・感想・評価

夜霧の恋人たち(1968年製作の映画)
3.6
【第41回アカデミー賞 外国語映画賞ノミネート】
トリュフォーとジャン=ピエール・レオによる「ドワネル」シリーズの第3作。全米映画批評家協会賞で監督賞を受賞、アカデミー外国語映画賞にもノミネートされた。

配信になくTSUTAYA DISCUSでも借りられっぱなしな本作、なぜかアマプラに突然やってきた!ので観てみた。

トリュフォーはあまりハマらない作家なのだが、これはなかなかよかった。今までで一番やりたいことが分かったし楽しめた。

何をしてもダメダメなアントワーヌをどう見るかでけっこう変わってきそう。『夜霧の恋人たち』という詩的なタイトルではあるが、かなりストレートなコメディ。アントワーヌがダメ男っぷりを遺憾なく発揮する。

軍に入隊したが脱走を繰り返す、雇われたホテルで勝手に部屋に他人をあげてしまう、探偵業では尾行を気付かれる…ダメダメすぎる。

トリュフォーのよさってもしかしてセリフにあるのかなと思ったりした。気の利いた言い回しが多く、コメディに振り切った本作ではそれが良く作用していたように感じる。

あまり良さが分からなかったトリュフォーだが、初めてしっくりきた感じがする。分かりやすくフラットに観られる良質コメディ。
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