【うがった見方をすれば】
自分が救った筈の仲間と最愛の息子を
自らの手で全員射殺し主人公は絶望する。
見ている観客もまた同様に絶望させられる
と話題の作品。
主役の男の価値観では危険な場所から
一刻も早く立ち去り妻の元に帰りたい。
もっと言えばあの狂信的なオバサンから
逃げ出したかったという現実逃避だった。
だが家に帰ると妻は既に死亡していて
また絶望する。男の選んだ行動は
ことごとく失敗し周りは死んでいく。
そして皮肉な事にその狂った場所に残り
大勢を救ったのは、あの聖書を武器に
留まらせた狂信的なオバサンだったのだ。
つまり、見方を変えれば結局のところ
聖書に倣えば救われた命の方が多かった
という事例の羅列。
更に、一見するとムゴイ殺され方をした
軍人の若者だが、これまた聖書に則り彼を
「ユダ!」と糾弾し静かな町をメチャクチャ
にした軍に対し、一矢報いているのである。
スティーブンキングがラストを
変えてまで伝えたかったのは
絶望へのミスリードでは無く
狂信的な希望だったのだ。
(因みに私はどの宗教信者でも無い)