しぃちゃん

ミストのしぃちゃんのレビュー・感想・評価

ミスト(2007年製作の映画)
3.0
【うがった見方をすれば】

自分が救った筈の仲間と最愛の息子を
自らの手で全員射殺し主人公は絶望する。
見ている観客もまた同様に絶望させられる
と話題の作品。

主役の男の価値観では危険な場所から
一刻も早く立ち去り妻の元に帰りたい。
もっと言えばあの狂信的なオバサンから
逃げ出したかったという現実逃避だった。

だが家に帰ると妻は既に死亡していて
また絶望する。男の選んだ行動は
ことごとく失敗し周りは死んでいく。

そして皮肉な事にその狂った場所に残り
大勢を救ったのは、あの聖書を武器に
留まらせた狂信的なオバサンだったのだ。

つまり、見方を変えれば結局のところ
聖書に倣えば救われた命の方が多かった
という事例の羅列。

更に、一見するとムゴイ殺され方をした
軍人の若者だが、これまた聖書に則り彼を
「ユダ!」と糾弾し静かな町をメチャクチャ
にした軍に対し、一矢報いているのである。

スティーブンキングがラストを
変えてまで伝えたかったのは
絶望へのミスリードでは無く
狂信的な希望だったのだ。


(因みに私はどの宗教信者でも無い)
しぃちゃん

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