しゅう

戦争と平和のしゅうのレビュー・感想・評価

戦争と平和(1947年製作の映画)
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150915@新文芸坐<戦後70年企画 第三部 映画を通して検証する 焼け跡、ヤミ市、復員兵、基地 戦後の風景と、人々の暮らし>

戦車、男の顔など、本作は文字通りの迫力をもつ映画だった。この迫力が作品に漲っているために、物語の強度も支えられている。
また、こうきちの過去が精神病によって消し去られているという設定が、かなり示唆的だった。被害妄想とも思えるこうきちの態度は、戦争に対して当事者意識をあまりに欠きがちな人々のそれと対置される。戦争それ自体への嫌悪は健一に明瞭に語らせながら、それに暗に加担した人々への評価をわざとらしすぎるゆえに軽視されがちな部分に織り込むオシャレさが秀逸だと言える。
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