ツクヨミ

エイリアン4のツクヨミのレビュー・感想・評価

エイリアン4(1997年製作の映画)
3.8
美的な映像で魅せられる気持ち悪さ全開の宇宙。
リプリーが死んでから200年が経過した世界ではリプリーがクローン再生されることに。そしてクローンリプリーの体内からはエイリアンが摘出され…
ジャン=ピエール・ジュネ監督作品。エイリアンシリーズ第4作目、まさかの死んだリプリーがクローン再生されるという奇抜な発想から生まれた今作はエイリアンシリーズが"監督の登竜門"と言われるのに恥じないものであった。それはまさに今作が他作品とは違い映像美というか構図が美しい絵画的世界を見せてくれたからであろう。まず気味が悪く畝るようなオープニングから引き込まれ画面が宇宙船内へフォーカスするとシンメトリー意識高すぎな構図の世界が幕を開ける。そしてエイリアンや人間にクローズアップやぐっと迫るような素早いズームインによるカメラワークに飲み込まれるようだった。ジャン=ピエール・ジュネ監督は映像派監督なのかなーとけっこう強い印象を受けた。今作は特に気持ち悪いものと美しい背景構図が融合し独特な世界観を形作っている。
内容としては中盤にちょっとしたどんでん返しがあったりとなかなか飽きさせない構成と1作目を彷彿させる原点回帰的な作風もあるのは脚本を担当したジョス・ウェドンの力だろうかめちゃくちゃ好みで面白かった。またエイリアンもシリーズの4作目として進化を遂げ学習能力が高まり知能的な側面を持ち合わせていたり、人間とエイリアンのハイブリッドが作られたりと多様なエイリアンの新しい側面が見られたのが良かった。
総括してジョス・ウェドンの面白い脚本とジャン=ピエール・ジュネの美しいカメラワークで脚色された見事なエイリアン第4作目はなかなか満足な仕上がりだった。
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