三樹夫

エイリアン4の三樹夫のレビュー・感想・評価

エイリアン4(1997年製作の映画)
4.2
リプリーがクローンで復活。そんでもってまたエイリアンを利用しようとしたら案の定大惨事になりいっぱい人が死ぬ。監督はジャン=ピエール・ジュネで、『デリカテッセン』みたいなノリでやっており、凄まじくゲロゲログチョグチョの奇形趣味のオンパレードで、もはやグラン・ギニョールの世界。奇形クローンリプリーのシーンはこれを大資本でやるの頭おかしい。ただこれがケレン味しかない最高の映画で、登場人物はバカかクズかあたおかで、輸送業者ベティのクルーなんてマージナルな人しかいない。挙句の果てに宇宙怪物人間(エイリアンマン)爆誕など、狂った方向にセンス・オブ・ワンダーが爆発している。口臭がID、頭ガブ脳みそタラー、力任せに頭グシャなど汚いものが大量に観れ、エイリアンマンの倒し方などあまりの汚さに爆笑する。
こんなことやっときながら、お前らの求めていたアンドロイドはこれだろぅと、一部にぶっ刺さるアンドロイド出してきやがる。『エイリアン2』はキャメロンの性癖でリプリーが母親みたいになっていたが、今作では実際に母親になっており、エイリアンマンが「ママぁ~」みたいなつぶらな瞳で見てくる。汚いものの中に純なものがある不思議な塩梅だが、それでも汚いの方が勝つ。

『HUNTER×HUNTER』のキメラアント編って『エイリアン』シリーズだなとつくづく思う。王の誕生シーンなんてほぼこの映画。まあキメラアント編は『エイリアン』シリーズ以外にも『寄生獣』とかサンプリング元は他にもあるけど。
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