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ドッグヴィルのののレビュー・感想・評価

ドッグヴィル(2003年製作の映画)
4.9
トリアーの映画は本当に不幸だ。
ダンサーインザダークにしろ、奇跡の海にしろこんなにもトリアー映画に惹かれるのは、人間の本能が引き起こす不幸に対して人間的(理性)で立ち向かおうとしているからだと気づいた。
本能で反応している自分と主人公を重ね合わせて、理性で抑えようと一緒に戦う。その結果理性が勝てばダンサーインザダークだし、本能が勝てばニンフォマニアックになる。後者は最高に興奮するが、最低。最低の行為だと分かっていても否定しきれないのは、それこそ人間だと同時に思うから。
本能に打ち勝つ何かこそ文学。
寓話性を高める演出も効果的だったし、他に集中が削がれない分ストーリーに集中しやすかった。だからといって画的に寂しいわけでもなく、芸術性も感じれたのは流石としか言えん。
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