このレビューはネタバレを含みます
本当にいいセンスの持ち主しか撮れない映画。
なんでこの映画はこんなにカッコいいのか観終わった後考えずにはいられなかった。
まずは登場人物のカッコよさが際立ってた。まず着ている服がオシャレ。オーバーオールにハットをさりげなく着こなしてるし、エヴァのタートルネックやパンツのロールアップもめちゃめちゃ似合ってて、改めて監督のセンスの良さを感じた。
この映画は展開やオチやメッセージ性ではなく「過程」、彼らの今を生きるような生き方を楽しむものだと思う。
それで初めてこの映画の何でも起こりそうな、物語の可変性と無計画さが大きな魅力であることが分かると感じた。
この映画の見どころ、核は何と言ってもエヴァだと個人的に思う。
物語はエヴァのために動いているし、エヴァがいないとどこか物足りなくてつまらなく感じる。エヴァがクリーブランドに行った時にウィリーは寂しそうな様子をしているし、エヴァに会った時にとても嬉しそうな様子から、実際ウィリーたちもエヴァがいないと、つまらなく物足りなく感じてていて、それが言葉には一切出ないけど画面からとても伝わってきて、気づいたら自分もエヴァの存在に夢中になっていたと思う。
独特の空気感で、選曲やカメラワークやファッションなど随所に監督センスの良さが出てたと思う。
彼がこの後どうなるのか思わずにはいられず、つい感情移入してしまい、彼らのことをもっと知りたくなるような物語もとても魅力的だった。
初めて観たけど、ジム・ジャームッシュ恐るべし。
