よだれどり

カンフーハッスルのよだれどりのレビュー・感想・評価

カンフーハッスル(2004年製作の映画)
5.0
傑作。クソ面白かった。これこそが実写版ドラゴンボール。徹底的に視覚的であることこそが普遍性を獲得する。100年前の人間も100年後の人間も面白がれる映画。殺し屋にチャウ・シンチーが空に打ち上げられたとき、何故殺し屋が突然蛙になったのかがわかり、これまでの荒唐無稽なアクションは水平中心で「高さ」が実は抑えられていたことに気付かされ、道路標識?や包帯が蛹であったことに今更ながら思い当たる(そこで鳥を踏み台にする想像力!)。興奮と驚き。思い返せば、終盤までチャウ・シンチーは回想含め地べたに横たわる姿が何度も描かれているし、達人夫婦もそれぞれ高所から落ちるという描写が入れられている。終盤殺し屋が社のようなところに降り立つ際も飛び上がるところは省略されていて、「高さ」を特権的に映すための布石を打っている。目で楽しい映画と油断していると最後ラストエンペラーのコオロギのように花が実体化し、時間まで超えたりと侮れない。チャウ・シンチーちゃんと見返します。ユーモアも冴えていてデブがナイフをオバハンに投げつけるのに失敗するところはわかってるのに笑ってしまった。
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