Kenjo

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:QのKenjoのレビュー・感想・評価

4.1
序破Qシンを見終えた上での感想のようなもの。

Qはおそらくエヴァという作品のコアであり、難解と言われる所以となった作品である。エヴァを完結させるために展開がとても早く感じる。今までの平和なシーンが嘘のよう。
世界は突然14年後になる。
どうやら、レイを助けた破の終わりがきっかけとなり、サードインパクトが起き、地球上は人が住む場所ではなくなったようだ。アスカもレイも14年経っても全く姿が変わらず、レイは姿のみ一緒でクローンのように別人と化している。
レイ1人を助けるために世界を犠牲にしてしまったことにショックと罪悪感で潰されそうになるシンジ。その贖罪のストーリーへと展開していく。
レイに絶望してしまったこともあり、世界をどうすれば救えるかという点で物事を考えるようになった結果ラストでの暴走、フォースインパクトへと繋がる。
シンジの行動はどれも裏目に出てしまっているが、彼の行動原理は誰かを助けたい、という信念に裏打ちされており理解はできる。
完全にこれらの行動により、世界に対して罪悪感を感じ、シンエヴァへと繋がっていく。

13号機に一緒に乗ることになるカヲルだが、終始怪しさを感じるもののシンジは頼れる人が他にいない、理解してくれる存在であることから心をゆるしていく。
あとからカヲルが父親の存在とリンクしていることが示唆されることを考えるとかなり納得できる。

最後の槍を抜くくだりで、シンジは槍に執着してしまう姿が描かれていて、視聴者目線では、あそこでダメそうなことが分かってるのになんで槍を無理矢理抜いちゃうんだろうと、あぶなっかしい子供を止める親のように見てしまう。
でも世界を元通りにするためには藁にもすがりたいシンジにとって、あの槍は希望の象徴であり、あれを抜く以外の選択肢はもはや存在しなかったと思う。あそこの視野狭窄から来る大胆さはシンジの長所であり短所である。自分ならあんなに横で不安がってるカヲルくんの横で暴走できないなと思ってしまった。

また最後にカヲルを失い、罪悪感と喪失感で死にそうになるシンジでシンエヴァに繋がる。
こんなエンディングでなんでエヴァファンは10年も待てるんだろう。俺は3日も待てなかった。まあ時間が愛を育てるので、これだけ色んな解釈が可能な作品ならファンの間で話してるだけでも十分楽しめるね。

シンも見終えたのでシンのところで最終作の感想を書きます。
Kenjo

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