『スター・ウォーズ』などといった新しいSF作品に触発された名プロデューサーロジャー・コーマンが満を持して発表したスペースSF映画、一般人にはチープなバッタもんにしか見えないだろうけど映画ファンには単なる工場やガスタンク、狭いセットを予算もかけずちょっとした工夫だけでそれなりの規模に仕上げてしまうプロデューサーの魔術に感銘を受けるはず。…でもやっぱりチープだけどね、特に終盤の廊下の使い回しは予算を気にしすぎだろと思わずにはいられなかった。
話のスケールも主人公たち海賊が乗る宇宙船に迷い込んだ少年を家族がいる惑星へと送り届けるという妙に小さいもの、でも自分達の命をなげうってまで少年を守り故郷へ戻そうとする勇姿は『河内山宗俊』みたいで少し胸をうたれる。でもその少年がラスト以外死んでいく仲間へのリアクションが薄めなのが気になる。
特撮はビデオでの合成など製作当時らしい仕上がりになっているけれど(でもいくつか流用もあるとか)、宇宙船同士の対決シーンがただ単に直進してビームを撃つだけというのが凄い。そして破壊される宇宙船の場面が何度も使い回され、突っ込む気力もなくなってくる。
それにしてもあの少年が大事にしていた宇宙昆虫は一体何の意味があったんだ、そして少年の顔に見覚えがあると思ったら『オーバー・ザ・トップ』のあいつか。