ユウジ

ビンゴのユウジのネタバレレビュー・内容・結末

ビンゴ(2012年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

中学の頃、友達が面白いと勧めてきたが、昔から原作者がどうも苦手で、まったく興味が湧かなかったので見ておらず、ただ勧められたという記憶だけが残ってたので視聴。

主人公見たことある!と思ったらゴーカイグリーンでした!世代だから嬉しいぜ〜

山田悠介原作の割に血の表現が控えめで見やすかった。全体的に演技力は悪くなかった。

まず思ったのは、世にも奇妙な物語でありそう。
ショートショート味とダーティな感じが。
だからこそ100分は長かった…

『死刑執行者たちの救済』
はじめ聞いたとき面白そうと思ったのだが、キャラたちの感情任せの発言や命乞い、死の恐怖心をあらわにすればするほど、救済の意味が理解できないことに気づき、どんどん安っぽく感じていった。
そして「日本は裁判の結果が軽すぎる」とニュースが出ると度々目にするので、彼らから出てくる罪状は果たして死刑になるのかと一々考えてしまってた。
そこはフィクションと割り切れなかった自分の落ち度。

ビンゴに関して、死刑執行者たちが考察しながら物語が進むので、結局のルールや意義や理由がわからなかったな。残念。

運営さんたちは「彼らの苦痛を和らげる」とかで選択を急かしていたが、生き残れるかもという希望を持たせたりビンゴさしたり、見届け人に執行者を決めさせたりっていう根本のシステム自体が苦痛でしかないやろと。

こういう映画特有の後出しルール。
斜めはビンゴ判定にならないってルール突然追加されんかった‥?

主人公があまりにも普通の人だったので、事情が明かされる事を願い、生き残るのが暫定だろうと思っていたのでその他のキャラの死ぬ理由付けを気にして見てた。
進行役の処理に困ったのか、信頼第一のゲームで突然不謹慎な冗談言ったり、嫌味言わせたりと脚本に動かされてる感がすごかった。
運で生き残りを勝ち取ったのはビンゴなのでまあ許容範囲かなと。

呼んだ人に釈放か執行かを決めさすならビンゴの時間なんやった〜ん!?めっさ無駄やん!そのルールあるならもっとそのルール活かしたゲームにすればよかったのに…。

てっきり、ビンゴというゲームを通して皆平等に生きる希望を与えていると思いきや、冤罪で死刑を待つ特定の人物を助けようとした首謀者が口裏合わせてゲームしてましたよパターンかと思ってたのである意味予想外なラスト。
ただ胸糞やったな〜
死刑執行者の割にあまりにも普通すぎる主人公だったのでなにかしら裏があるのだろうと思っていたけども…何かいい事してる風だけど変質者は変質者よ。
あと最後の決断や台詞によりヒロインが救いようのないただのクズに見えました。
全編においての行動なんやってん…
己の手でキショストーカーの死刑を選択したかったのかな…?
恋は盲目というがなんであんな奴のために犠牲になったんや兄ちゃん………

色々いったものの、良いと思ったところはある。
全体的にシンプルなビジュアルは好みだったし、キャラクターそれぞれがつかみやすい。
そしてなにより、死刑に対しての被害者と加害者のそれぞれの気持ちや正義と悪の定義の曖昧さが物語の軸となっていたのは良いと思った。命の軽さは変わらないが、それでも設定に頼り切った一辺倒な作りではなく多角的な視点で奥行きを出そうとする作品への真剣さは垣間見えた。(小説原作なだけあるなと)
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