一条和馬

ヴァン・ヘルシングの一条和馬のレビュー・感想・評価

ヴァン・ヘルシング(2004年製作の映画)
3.0
不老不死の力を得た代わりに子孫を残せなくなったドラキュラ伯爵一味と、教会に所属する記憶喪失のハンター『ヴァン・ヘルシング』とその仲間が戦うアクション映画です。

ドラキュラ伯爵の他、フランケンシュタイン博士や『怪物』、ウルフマンなども登場し、それぞれが物語の要所を担っています。

他にも『教会の変な発明家(活躍しかしてないMVP)』『ドラキュラ伯爵を殺す事に執念を燃やす一族の兄妹(兄は即退場後ウルフマンで復活)』と個性豊かなキャラクターが登場しますが、ちょっと情報過多の印象がある作品でした。一個の映画として楽しむというよりは、頭を空っぽにして見るエンタメ映画としての側面が強いです。

そしてそのエンタメ性では他の追随を許さないオリジナリティーに溢れる映画として後年の作品にも多大な影響を残しています。

メジャー所で例えるならフロム・ソフトウェア製作のゲームである『ダークソウル』『ブラッドボーン』等に登場する一部エネミー、ステージ等の雛形がこの映画になります。フロムユーザーに分かるように言うと『ガーゴイルタクシー』『エレーミアス絵画世界』『アヴェリン』『カインハースト』『獣の病』『工房火薬庫の仕掛け武器(ピザカッター)』辺りが登場します。世界観も中世ヨーロッパなので実質ブラボ。

また、CG演出技術も素晴らしく、公開から20年近く経った今でも色褪せぬ美しさは必見。

しかし最初にも触れましたが、ストーリーに関してはツッコミ所しかありません。まず主人公の筈のヴァン・ヘルシングがとにかく弱い。終盤やっとドラキュラ伯爵と対等に戦えるようにはなるのですが、そのトドメのさし方も地味でその辺りは不完全燃焼。更にヒロイン枠の女性よりもフランケンシュタインの怪物の方がヒロイン属性高くて何がなんだか分かりません。が、それを気にしている間もない怒涛の展開と派手なガジェットの演出がそれらを全て補っています。

敵も味方も一々状況を台詞で説明しながら戦ったりするし、最後は化け物VS化け物なので仮面ライダーやウルトラマン見てるのに近い感覚でご視聴出来るかもしれません。
一条和馬

一条和馬