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戦争と人間 第一部 運命の序曲のkenbowbowのレビュー・感想・評価

3.8
1970年のオールスターキャストの超大作作品。
今作ったら、100億じゃ済まないと思う。
当然CGがない時代で、戦争シーンや満州、東京の街頭シーン等、スケールがそれ一つで1作品できそうな感じ。

第1部だけで3時間超え。見るのも果てしない道のり。

第1部は、昭和初頭から満州事変の始まりまでで、満州で台頭した財閥の栄光とそこに関わる人間模様を、70年代の邦画テイストで描いたもの。
出てくる女優陣はほぼ全員脱ぐし。
ああ、そういう時代よねという感じ。

特に印象深かったのは、不幸な生い立ちの朝鮮人を演じる地井武男。まさに鬼気迫る。
あと、やさぐれ三國連太郎は、まんま佐藤浩市。後ろ姿なんかほぼクローン。
そして、どこへ行っても裕次郎は石原裕次郎。外交官が小暮警部そのもの。

とにかく知ってる俳優の若かりし頃を見るだけでも楽しめる作品。

見ながら思ったが、制作されたのは1970年だから満州事変は約40年前。
つまり現在2024年からすると1980年頃の出来事を作るのと大差ないわけで。
もちろん事の重さは比べ物にはならないけど。

何が言いたいかというと、それを「知っている」人たちが描いた作品は、後世に遺しておくべき歴史的資料になるんだと思う。
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