「アメリカの魂は孤独で禁欲的で人殺しだ」
「いまだ和らがぬ」
D.H.ロレンス
1892年、西武開拓とインディアン戦争が終結したアメリカ。
インディアン戦争の英雄である兵隊大尉ジョーは敵であったシャイアン族の長とその家族を送り出す任務を命じられた。
危険な旅が始まる。
優しく子供達に勉強を教える母親ロザリー。
そこへ突然コマンチ族が現れロザリーの夫、子供は容赦なく殺されてしまう。
冒頭のこのシーンが衝撃的過ぎて。
穏やかで優しいシーンから一変しての惨劇だった。
この後ロザリーはジョーに救われ旅を共にするが心神喪失状態。
ロザリーの感情がよく伝わってくる。
ジョーは多くの女子供を問わずインディアンを殺してきた。
シャイアンのイエロー・ホーク首長は多くのアメリカ人兵を殺してきた。
憎しみが消えないジョーが首長との旅で心が通い合い変化していく。
しかし全編を通して辛い辛い物語。
心の平和がやってくるかと思いきや悲劇が起こる。
戦いに疲れ果てているようにも見えるジョー。
また兵士同士の友情、戦いに疲れた兵士の心の闇なども描かれている。
見ていて本当に辛かった。
ジョー役のクリスチャン・ベールが本当に素晴らしい。
久しぶりに重みのある素晴らしい映画を観た。
スコット・クーパー監督作品