調伏系V魔虚羅

バッファロー’66の調伏系V魔虚羅のレビュー・感想・評価

バッファロー’66(1998年製作の映画)
5.0
5年の刑期を経て出所してきたビリー。仕事で家を離れ、両親に結婚したと偽っていた彼は、実家に戻るため通りすがりの女・レイラを拉致する。

不器用で無骨、子供のまま大人になりきれなかったビリーの幼さ残る純粋無垢な愛の形。それが愛おしくて愛おしくて堪らない。レイラの前でも友人の前ですら無駄に虚勢を張って威張り散らかすビリー。序盤だけでは彼に対して嫌悪感しか抱かないのですが、実はただの小心者で鏡の前で自己嫌悪に陥ってるシーンでは、あまりのヘタレっぷりに逆に可愛いとまで感じます。
そしてそんなヘタレ男を支えてくれる”The 女神“ことレイラ。強制的に親の所に連れてこられ、最初は嫌がっていた彼女でしたけど、ビリーの過去や素性を知るにつれ、彼に惹かれ従順なまでに妻を装います。ただ惚れたからという理由で何処までもついてきてくれて、時には恋人の顔をしたり、時には母親として彼を優しく包み込んでくれたりとまさに完璧な女神様。好きな人にここまで尽くしてくれる彼女なんてそうそういないし、心の底から羨ましい、そして彼女がここまで尽くしてくれることにあまり恩恵を感じていないであろうビリーが妬ましいとさえ感じました。
初々しい恋にキュンキュンするタイプの人なので、必然的に☆高めになります。
調伏系V魔虚羅

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