爆裂BOX

エイリアン・バトルロワイヤルの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

3.7
田舎町の町長トムは、遺産目当てに結婚した若妻メーガンと幼馴染ブレンダンの浮気現場に乗り込むもメーガンの母親に撲殺される。そこに宇宙船が不時着し、中からエイリアンが現れ…というストーリー。
「サメストーカー」や「カジノゾンビ」のコリン・ゼイズ監督によるSFアクションコメディです。
田舎町にエイリアンが現れるというSF映画ではよくあるコンセプトですが、墜落した廃車置き場にある町長の死体が回収できないと保険金が手に入らない為、メーガンの母親が「エイリアンを退治し、遺体を回収した者に賞金10万ドルを支払う!」とTVでCMを流したため、腕利きの馬鹿どもが集まり熾烈なバトルを繰り広げるという内容ですが、とにかく出てくるキャラ本当にバカばっかりです。エイリアンが一番まともという(笑)
本作に登場するエイリアンは宇宙服着ていてデカい目をした顔がヘルメット越しにチラッチラッと映るくらいですが、侵略ではなく故障した宇宙船を修理するのが目的で、人殺すのも修理邪魔する者と気概咥えてくるからで一応警告はしてくれます。といっても殆ど意思疎通はせず立ち塞がる人間を冷徹に殺していくのでキャラクター性は薄いですが、多種多様な殺しっぷりを見せてくれます。子供にもまるで容赦なく、子供の生首メッセージ機代わりにするシーンはグロいですね。
人食い芋虫ばらまいたり、ワイヤートラップ仕掛けたり地面を泳メカシャーク作り上げたり、廃材から殺人ロボット作り上げたりと様々な方法で人G年を血祭りにあげていきます。CGは稚拙ですが、人食い芋虫が鼻の穴から入ったり皮膚の下を這い進んだり、目玉突き破って出てくるシーンは結構気持ち悪いです。ワイヤーですぱすぱ体切れたり、立ちションしていたら体凍りついたりとバリエーションの豊かさとCG臭さは気になりつつもゴア描写も頑張ってます。個人的に地面に引っ張り込まれた後ポーン!と空に打ち上げられるシーンは笑っちゃいました。
登場人物もビッチでアホな若妻とアホでヘタレで気が多い幼馴染の間男、登場人物の中で群を抜いてキチガイでエイリアンより怖い母親を始め、ララ・クロフト擬きの武闘派ストリッパーや武闘派神父、婚活相手探しに来たコスプレ女や自作アーマー作って火炎放射器使う男、ちびっ子空手教室のコーチと教え子達など個性的でキャラ立ってます。チョイ役のやられ役で出るアメフトチームや野球チームなども妙にキャラ立ってますね。い娘に会いに来た軍人など主役っぽい演出された人が速攻で退場するサプライズ演出も良き。神父役は「ゼイリブ」に主演してたプロレスラーのロディ・バイパーですが、この人は登場人物の中ではまともな方だったかな。殺人ロボとの戦いはちょっと盛り上がりました。その後ゾンビになってからの暴れっぷりも良かった。ジャケで主役な感じで写ってる男ブルックリンは仲間陥れて殺し合い始めるクズな奴でした。
終盤ではエイリアンそっちのけで挑戦者同士の殺し合い始まりますが、邦題の「バトルロワイアル」はここから来てるのかな?メーガンと母親のバトルまで終盤始まるのはちょっと笑っちゃいました。
オチもラブストーリーで終わるかと見せかけて…というバカに徹した感じで良いですね。修理した宇宙船でさっさと飛び立ったエイリアンさんは賢い。
まともなエイリアンSF期待するとがっかりすると思いますが、バカを突き抜けたネタ映画として中々楽しめました。まあ、バカを狙った感じが鼻に着く人はいるかもしれないけど…