ひたる

千年女優のひたるのネタバレレビュー・内容・結末

千年女優(2001年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

最後の一言でがっかりした。
一途に想い続けるという行為が才能であり、多くの場合幻想なのは分かりきっていたが、主人公の千代子だけは違うと思いたかった。これは完全に好みの問題。永久にも耐えうる純情を見たい…

タイトルの「千年女優」は、彼女が女優人生で演じた役を一生涯に換算すると1000年生きた、ということと、人生を「恋焦がれる少女」として演じ切った千代子を讃えて、長い年月を1000年と表現したのだと思う。
個人的にはこれに加えて「千両役者」を文字った説を思いついたので推したい。誇張なしで生涯現役を貫いた彼女の演技は、演技をしていることすら他人に悟らせない究極の高みだと言えるだろう。

「鶴は千年亀は万年」とある通り、1000年を冠する鶴が随所で出てきた。最後の裏切りっぷりを見るとサギじゃね?なんて思ったりもしたが、小ネタとして探すのが楽しかった。

走るシーンの多い今作、作画MADで見覚えのある場面も多かったが、まさかツギハギの疾走シーンがMAD師によるものではなく映画そのままを抜き取ったものだとは思いもしなかった。アニメならではの表現で、斬新かつ面白かった。
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