🎬2024年劇場鑑賞2本目🎬
リバイバル上映で。
「イマジネーションと現実の融合」を掲げていた今敏作品のなかでも"現実"パートに共感しやすく、感情移入しやすい作品だと思った。
空想の具現化とも言える映画の世界を少女が駆け抜けて大人になっていく姿、どんどん変わる場面、追い付けない背中。
一つ一つのシーンはとても丁寧に描かれているのに、こんなにもスピード感がある映画。なかなか他では体験できない感覚に驚き夢中になり、終わって欲しくない!と強く思った。
物語が進むにつれて明らかになっていく取材の男と女優の関係も何だかちょうど良くて、夢になりすぎない感じが良い。
それにしても、こんなにも美しい晩年の表現があっただろうか。
若く輝かしいあの日の姿で、宇宙に向かって笑顔で飛び立つ。あまりの素晴らしさに今思い出しても涙が出そうになるほどだ。
長編アニメーション監督からたった13年、46歳の若さでこの世を去った今敏のことを考えると無念だが、こんなに美しい人生観を持った人だ。短くともきっと良い人生だっただろうと思わされる作品だった。