2022.1.29 再視聴
何回も見ているのに見るたびに好きになる作品。
目まぐるしい映像美。今見ているのは映画の世界?それとも、千代子の回想?それとも、客観的事実?
全部が入り混じって分からなくなって、でもそれも含めてずっと見ていたい。
狂気じみているほど一途な「鍵の君」への気持ち。その正体を正しく理解して、人生をかけて肯定してきた千代子の潔さ。
「あの人を追いかけている自分が好き」という状態は、まさしく「女優でいる自分が好き」ということか。
好きだから追いかけた、そして、追いかけるほどにまたどんどん好きになる。
恋に恋している状態に近いのかもしれないけど、ここまで全うすると、女性として一つの人生になるのだなと納得してしまった。
反面、心の奥底には確かに鍵の君への弛まぬ恋心があったからこそということとも言えるのかも。
女優であることで鍵の君を追い続けることができるならば、最後に鍵を手にした千代子は、女優としてまたずっと追い続けられるね。
最初のタイトルコールのレトロさも、躍動感のある映像も本当に好き。
映画の世界と現実が交わって、どんどん魅了されて、平沢進の音楽が物語をさらに盛り上げていく。
全部がほんとうに死ぬほど好き。
今敏監督の作品は全部見て、そのなかでも一番最初に見てずっと大好きなのが千年女優。
小学生の頃に無理やり見せてくれた父親に感謝。小さい頃はくるくる変わって綺麗な映像だなあ、くらいにしか思わなかったけど、歳をとって、見返すごとにときめくポイントが増えていく。
映画館であの映像と音楽を堪能できて、本当に良かったなあ。