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サニー 永遠の仲間たちのmalのレビュー・感想・評価

サニー 永遠の仲間たち(2011年製作の映画)
4.0
面白かった!昔の仲間と会って、友情はいいなと確かめ合う話なので陳腐平凡極まりない凡作になるうる可能性大なんですけど、これはとても楽しめました。韓国の文化や現代史を知ってたらもっと楽しめそう。韓国人が見たら懐かしいものやあるあるネタに気付けるんでしょうね。日本やベトナムなどでもリメイクされましたが、現地のお国側に合わせた改変がしやすそうな話だと思います。若干だれる所や予想調和な展開はあるんですが基本的にはとても面白いかったです。過去と今が連動しながら進んでいくところや七人の侍ライクに仲間がどんどん見つかるところはワクワクしました。「なぜ仲が良かったのに25年も会わなかったのか」という謎が話を進める原動力になってるところも○。

基本的にはコメディー路線なので笑っちゃうようなシーンがいくつかあって、その代表が娘の学生服をきたお母さんが娘と会ってしまうところ。あの気まずい雰囲気が好き。どちらにとって「キツっいなぁ…」ってなっちゃうわ!笑っちゃいました。他にも、韓国ドラマの展開がワンパターンなことは韓国人も思ってたんやなぁとわかるシーンとかも好きでした。

やっぱりびっくりするのは配役の妙。高校時代と現代とを行き交う展開なので子供時代と大人時代、同じ役を違う俳優が演じているのですが顔立ちが似てて、あの人が成長したらこうなるんだと、もう普通に納得できるような感じなんですよね。メイクとかのおかげもあるんでしょうけど凄い!太ったコメディーリリーフはこういう題材じゃ鉄板キャラですね。彼女がやたら二重まぶたにこだわっているところが結構好き。

普通であるって難しいよなぁ。順調といかないまでも平凡な人生を送るっていうのは、実は貴重なことなんだと実感させられます。何が成功で何が失敗かもわからないし、人生は死ぬまで続くから人生のどの時点で判断するかにもよりますけど。

水商売で勤めているポッキを諭すシーンにはモヤモヤ。言いたいことは分かるし、気持ちも理解できるし、そして親友なので無責任とまでは言いませんけど、私ならあんな風には言えないな。支援する応援するから仕事やめろと言っても、じゃああなたはどこまでやってくれるんだと、その人の人生を本当に背負う気があるのかと。色々考えて挙句、責任をもってその仕事をしているのかもしれないし、久々に出会って数時間でその人の事情や内面を理解した気でいるのは上っ面だけに感じられて、横暴に思えました。

高校時代に撮ったビデオを見るシーンでは、みんな夢があって凄いなと単純に感心してしまいました。自分が高校の時なんかむちゃくちゃぼんやりしてたな。何がしたいとか明確に言えなかった気がする。

フィクションなので過剰なシーンがあるにせよ、あの時代の韓国の女子高ってあんなにバイオレンスにあふれてたの??誰か教えて!中年の女性が女子高生を暴行するシーンは、映画じゃなけりゃアウト!というか、あれで、娘のイジメ問題は解決したの?一層こじれそうな気する。ここは個人的に残念なポイントでした。ただし、絵面の面白さとしては際立っていて、コメディーとして見るならアリ!

サニーの仲間の中でスンが良くも悪くも浮いてたような。ルックスが飛び抜けてかなり印象深いのは確か。でもえらくスカしているし、他の仲間となんで仲いいのかもよくわからないし、主人公と仲良くなるくだりもうーん…。酒酌み交わせば仲間!なノリは理解できるんですけど話を引っ張ったんだからもう一ひねり欲しかったな。ただ、この子が重要なキャラであることには間違いなく、なぜサニーのメンバーが長年の間顔を合わすことがなかったのかとわかる展開には唸らされます。

ラストの展開は正直ご都合主義満載なんですけど、うーんいいんじゃないかな。若干のパターナリズムもするし、綺麗事でファンタジーといえばそれまでですが、映画の展開的にハッピーエンドで終わるのもアリと思える。もちろんそんなことをしないで幕を閉じるのも良かったとも思います。ここは賛否両論あるでしょう。ただしダンスシーンは本当に感慨深くて、大好き。
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