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『ジョイ・ウォンの リインカーネーション/輪廻転生』に投稿された感想・評価

 完全自己満足でお送りする不定期企画『レビュー0件映画を鑑賞してみた』
 これはFilmarks内で未だレビュー投稿のない作品をあえて鑑賞し、レビューを書いてみようじゃないかという、無謀かつ誰得な企画です。

 とりあえずのルールとして、Markされていても、レビュー欄が空欄だったり、あったとしても「記録」や「過去鑑賞」のような、レビューとは言い難い内容の書き込みもレビュー無しとみなします。

 さて、今回鑑賞した作品は……
 『リインカネーション 輪廻転生』 LDで鑑賞
 1989年 香港  ファンタジー、恋愛  先客10名様(2024.2.10現在)

 その昔、愛人と共謀して自分の夫を殺害した潘金蓮は、夫の弟の武松に復讐され命を落とす。しかし彼女は成仏できず、文化大革命後の中国に玉蓮という名で甦る。
 美しく成長した彼女は、冴えないパン屋のオッサン武大(以外に金持ち)と結婚するが、武大の召使いとして働く青年と恋に落ちてしまう。しかしその青年は、前世で自分を殺した武松の生まれ変わりだった。
 前世と現在の記憶が混在し苦しむ玉蓮。果たして彼女の運命は……。

 中国4大奇書の一つ『金瓶梅』に登場する悪女、潘金蓮が主役の映画。因みにあとの3つは『三国志演義』『水滸伝』『西遊記』。水滸伝と金瓶梅は物語に繋がりもあったりします。
 『金瓶梅』はいわゆる官能小説であり、本作もそこそこエロティックな作り。まあ、露骨な描写はありませんが。
 で、本作で潘金蓮を演じる女優さんが、『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』などで日本でも名の知られているジョイ・ウォン。この人がまた美人過ぎるのです。
 で、劇中の現代パートで、この人が壮絶ないじめにあうのです。
 片思いの男性にスニーカーをプレゼントしただけなのに、盗んだものと決めつけられたり、学校では校長にあんなことやこんなことをさせられそうになったり……まあとにかく、その美しすぎる容姿から周りに疎まれ、世の男性たちの色欲の餌食となるのです。
 で、そんな彼女にやさしく接してくれるのが、パン屋のオッサン武大。この人、見た目はさえないんだけど、ホントにいい人。で、本作で一番かわいそうな人。

 前世の記憶が鮮明になってくるにつれて、徐々に淫らになっていく玉蓮。そんな彼女をジョイ・ウォンが艶めかしく演じております。

 『金瓶梅』を知らないとわけ分からない部分もありますが、ジョイ・ウォン目当てに鑑賞するのも一つの手かと。

 ラストは何とも嫌な余韻が残る。
5.0
肉欲の世界に溺れて読者を喜ばせ、無惨に殺され(男性)読者に溜飲を下げさせる、まるでミソジニーのサンドバッグのような潘金蓮という女。もっとも私は金瓶梅の方は大まかにしか知らないんだけど…。かなり気の毒な境遇ながら同情されるのは武大ばっかり。しかし水滸伝の新しいほうのドラマで金蓮の最期がなかなか痛快に描かれてて、いまの中華圏では女の人達からどう受け止められているかもっと知りたいなと思った。これは監督も脚本も女性。
制約の多い文革下で青春時代を過ごし、やがて香港に渡って結婚するなかで潘金蓮の生まれ変わり・玉蓮は前世を繰り返していく。結構性描写もあるけど強姦をやらしく描いたりするような真似をせず、それでいて玉蓮の(いちおう)主体的な行為はとってもセンシュアル。この時代っぽいゴージャスなファッションやメイクとジョイ・ウォンは相性ぴったり。身長高いしマニッシュな美人と思ってたので纏足のイメージは重ならなかったけど、むしろそういう女性もがんじがらめにしたものだったのかもしらんね。前世の記憶に苦しめられながらもようやく選択権を得て、最後は愛する男を乗せ自ら車を走らせる。その行く先は破滅であったけど、次の人生くらいで幸せをつかむかもしれない。自力で。「(武大のためでなく)自分のために殺してよ」って台詞はいいよね、これまでの英雄好漢、サムライだろうがアメリカンヒーローだろうが誰かを守る誰かのためとかみんな言うけど、動機を人に求めるというのは必ずしも褒められた事じゃないんだよ。
一方で西門慶(生まれ変わりが「サイモン」で笑った)は面白くて、美しさゆえに執着されるか妬まれるかだった玉蓮に対してドライで嫌いじゃない。「あんたは纏足みたいに見える」とかなかなか鋭い指摘をしてたり、もしかしてもとの西門慶も悪いだけのやつじゃなかったのかなーなんて思っちゃったりなんかして。今回は武大もそれほどかわいそうな目に遭わずよかったね。
んでそういう映画でも動作指導・梁小熊だったりしていちいち喜んでしまう。もー大変です。