嫁に黙ってタクシー会社のバイトをしている教師(ジェームズ・メイソン)が、過労で入院し、コーチゾン依存症になり気が狂っていくというお話で、プロデュースもメイソン。セットは短い階段一個と外景が書き割りという仕様で、予算の余裕の無さがしのばれる。
奥さんが良い女すぎる。家族愛オチのように見えるが白々しくない大人な脚本。アブラハムの挿話をモチーフにとった終盤、フットボールの不吉さ、扉開け閉め&階段昇り降りのサスペンス、お得意の鏡を使った演出、そして赤ドレス子供の赤ジャンパーに赤ソファー。嫁がウォルター・マッソーに言う「貴方は天使ね」。減ったミルクのスリル感など...隅から隅までニコラス・レイ映画で満足度高し。なお『黒の報酬』はテレビ放映時のタイトルで、大昔午後ローでやってたのを見た覚えあり。
