ぽち

君よ憤怒の河を渉れのぽちのレビュー・感想・評価

君よ憤怒の河を渉れ(1976年製作の映画)
3.0
作られたのもではなく天然の破壊力を堪能できる強力なコメディ。

偶然だろうが狙ったかのように上手く脱力シーケンスが並べられていて、もしこれを意識して作ったのなら監督は天才だろう。

オープニングの曲「だ~やら~」ってスキャットで「おや?」と思っていると、ポイントで出てくる場違いな音楽で「あっちゃ~、だめか?」と思い、決定打の森の熊さんあたりで「だめだこりゃ」となる。

しかし、森の熊さん二度目の登場で「お!」っとなって今作の観方が分かる。
カリスマ的なカッコよさを魅せてくれる高倉健や、非情な男が似合う原田芳雄、全員大真面目にハードボイルドしているのだが、その間抜なハズレ方を楽しむ作品だ。

そして「暴れん坊将軍」が出てきそうな新宿馬暴走。ここが頂点で声をだして大笑い。頭の中で暴れん坊将軍のテーマ♪チャ~ララ~、チャラ~ララ~♪が自動再生されるといっそう爆笑できる。

さて、脳ミソ沸騰してるんじゃないかと思える佐藤監督だが、もちろん大多数が普通の作品で、壊れている人でないのは理解出来るが、今作を観る限り「当時何か辛いことでもあったの?」と肩を叩きたくなる。
あ、でも後に「北京原人 Who are you?」の大失敗があるから、もしかしたら今作もこの監督の持っている一面なのかも・・・・・

ま、とにかく大爆笑できることは間違い無しの珍作である。
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