痴情のもつれから殺人を犯した本来は気立ても腕も良い理髪師が予定より早く仮出所を果たしシャバでの自由を手にするものの、突然出されたところで当然何処にも居場所など無く殺人犯としての偏見も喰らい、関わる人間も皆悪人である事に気付き、これじゃ塀の中の方がよっぽど天国じゃ…と脱獄ならぬ再入獄を果たし建造物不法侵入（？）的な罪に問われその経緯を回想していくお話。あんな事件が起きたすぐでもあるし、もはやこのネタがコメディとして成立しない社会と言うものをもっと憂いた方がいいと思う。特に年末なんて実際こう言う人は増えると思われる。ロッセリーニがテンポの良いコント仕立てのコメディ撮ってるのにはちとびっくりした、って言うほど観てないが。入獄シーンに感じる謎のブレッソンみ…。自由は何処にも無かったけど上映中に帽子取れって注意されて逆ギレするジジイは何処の国にもいるんだなと思った。
