カフェポタリスト

嘘つきヤコブのカフェポタリストのレビュー・感想・評価

嘘つきヤコブ(1975年製作の映画)
3.5
第二次大戦末期、ナチス支配下にあるポーランドのゲットー化されたある町、ユダヤ人ヤコブはひょんなことからソ連軍が間近に迫っていること知る。ところが知人に、自分はラジオ持っていてソ連軍接近の放送を聞いた、と嘘をついたことからユダヤ人のあいだに噂が立ち、解放が近いのではないか、と期待が広がってゆく・・・

米アカデミー外国語賞にノミネート、ハリウッドでリメイクもされたという。
みずからの嘘で退っ引きならぬことになってゆくヤコブ。時折インサートされる、ヤコブがレストラン店主だった頃の、妻や町の仲間たちとの何気ないシーンが余計哀しく見える。
そう、「この広い世界の片隅に」ではないが、その何気ない日常こそが、本当はいちばん貴重なのだ。

ヤコブが少女にBBCの放送だと偽って、見え透いたアナウンスをするシーンが可笑しい。
さんざん希望を持たせておいて、結局は・・・淋し過ぎる。