りほこ

キャタピラーのりほこのレビュー・感想・評価

キャタピラー(2010年製作の映画)
4.3
終始重い映画でした、、。

ミソジニー
彼が苦しむのは自業自得。

初めて見た視点の映画。四肢がない状態で帰ってきた夫は、軍人様と讃えられる。
戦時中の地域コミュニティに属する限り、周りの期待を裏切ることは出来ないため介護をする妻。
この映画には、妻から見た"認める事の許されない反戦への気持ち"と夫の"自らの罪の意識と人間性への反省"の2つがある。
男性社会で成り立つ戦争は、ホモソサエティと呼ばれる男性主体の世界観がある。その中で自身の価値を認められる為に、利用されるのが女性だった。男性は"もの"としての価値しか感じず自身と同じ立場に来ようとする女性を嫌い、女性は客体としての自身を嫌い、女性である自己を嫌う。よって、妻に夫の罪や責任をなすりつけ、様々な理由をつけて(この場合はお国の為)女性が責任逃れ出来ないようにする。嫌われているからこそ、利用しやすい。
寺島しのぶさんの演技は力強い。普通の人を普通に演じる。こんな反戦映画は他に類を見ない!
りほこ

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